【平成30年度税制改正大綱について】収益認識に関する会計基準の導入による影響
皆さん、こんにちは。
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昨日は、与党より、平成30年度税制改正大綱が発表されました。
そこでは、当初の予想通り収益認識に関する会計基準の導入に対する改正も織り込まれていました。
そこで、本日は収益認識に関する平成30年度税制改正大綱の内容について記載します。
【収益認識する金額を明文化】
収益認識に関する会計基準では、以下の通り、収益の額を認識することとされています。
「履行義務を充足した時に又は充足するにつれて、取引価格のうち、当該履行義務に配分した額について収益を認識する。
取引価格とは、財又はサービスの顧客への移転と交換に企業が権利を得ると見込む対価の額をいう」
つまり、企業が得ると見込む対価の額が収益として認識されます。
これは、通常の販売価額から値引きや割戻等が生じる場合には、
それらを見積もり、控除した金額を収益に認識することと意味しております。
これを受けて、平成30年度税制改正大綱では、益金に算入する額を以下のように明文化することとされました。
「資産の販売等に係る収益の額として所得の金額の計算上益金の額に算入する金額は、
原則として、その販売若しくは譲渡をした資産の引き渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額とする。」
また、同税制大綱内にて、資産の販売等に係る収益の額を実質的な取引の単位に区分して計上できることとするとともに、
値引き及び割戻しについて、客観的に見積られた金額を収益の額から控除することができる旨も言及されています。
但し、貸倒れ又は買戻しの可能性については、考慮しない旨にも言及されています。
つまり、収益認識に関する会計基準の収益認識と実質的には合わせる形で、税制改正が行われたことが推察されます。
【収益を認識する時期を明文化】
収益認識に関する会計基準では、以下の時点で収益を認識することとされています。
「企業は約束した財又はサービスを顧客に移転すること によって履行義務を充足した時に又は充足するにつれて、収益を認識する。
資産が移転するのは、顧客が当該資産に対する支配を獲得した時、又は獲得するにつれてである。資産に対する支配とは、当該資産の使用を指図し、当該資産からの残りの便益のほと んどすべてを享受する能力である。」
つまり、財の販売である場合には、原則として検収基準で収益を認識することを求めています。
これを受けて、平成30年度税制改正大綱では、益金に算入する時期を以下のように明文化することとされました。
「資産の販売等に係る収益の額は、原則として目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入する」
これも原則として、検収時の益金とすることを示しており、
収益認識に関する会計基準の収益認識と実質的には合わせる形で、税制改正が行われたことが推察されます。
【出荷基準への対応】
平成30年度税制改正大綱では、出荷基準についても認めています。
以下、その内容です。
「資産の販売等に係る収益の額について一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って上記の日に近接する日の属する事業年度の収益の額として経理した場合には、上記にかかわらず、当該資産の販売等に係る収益の額は、原則として当該事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入する」
つまり、収益認識に関する会計基準に従い、検収日と出荷日とが近接している場合には、出荷基準での収益計上でも問題ないことが言及されています。
出荷基準に関する記事はこちらから
【出荷基準の取り扱いについて】収益認識に関する会計基準の導入による影響
【返品調整引当金の廃止】
返品調整引当金は廃止することが明文化されました。
これは、収益認識に関する会計基準でも言及されていたので、これも収益認識に関する会計基準に合わせた形になります。
【まとめ】
平成30年度税制改正大綱は、
全体的に収益認識に関する会計基準の導入に合わせた形での改正となっていることが読み取れました。
今後も追加で情報がわかれば、記事にあげていきます。
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