役員報酬の期中変更について ~法人税法上の取り扱い~
みなさん、こんにちわ。
3月15日で確定申告が終了し、業務がひと段落いたしました。
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今日は、役員報酬の期の途中で変更した場合の法人税法上の取り扱いについて取りまとめてみたいと思います。
役員報酬を損金に計上するためには、一定の要件を満たす必要がありますが、その中で最も簡単な要件が「定期同額給与」です。
定期同額給与とは、「毎月一定金額」を報酬とする給与です。
つまり、一度月50万円の報酬と決定すれば、毎月50万円を支給することで損金計上の要件を満たすことができます。
しかし、一度決めた役員報酬は簡単には変更できません。
正確に言うと、変更は自由にできますが、会社の損金に計上できなくなります。
これは、役員報酬を利用した利益操作を防ぐためのもので、
法人税法上損金に計上できない役員報酬でも、所得税は課税されるので留意が必要です。
では、この定期同額給与の役員報酬ですが、いつ改定できるのでしょうか。
定期同額給与の役員報酬は以下の場合にのみ、改定した場合でも会社の損金に計上可能です。
①事業年度開始から3か月以内の改定
その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月を経過する日までに継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定。
②役員の昇進や降格、傷病による欠勤等(臨時改定事由)
その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情によりされたその役員に係る定期給与の額の改定
③業績悪化によりやむを得ない改定(業績悪化事由)
その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由によりされた定期給与の額の改定
つまり、法人税法上では、
基本的に役員報酬の改定は事業年度開始から3か月以内の変更であれば、原則として損金計上可能ということになります。
(税務署等への届出も不要です。)
また、その他にも「役員の状況の変化」や「会社の財政状態の悪化」を考慮して、致し方なく実施した改定も、損金計上を認めております。
事業年度開始3か月経過後に役員報酬を改定する場合は、上記の②、③に該当するか検討をする必要があります。
③業績悪化事由はの例は以下の通りですが、留意が必要です。
ポイントは、会社の利害関係者との関係を保つために行われていることが重要です。
単に、想定より利益が出なかったというだけでは、改定事由には該当しないので留意してください。
【業績悪化事由の例】
・ 株主との関係上、業績や財務状況の悪化についての役員としての経営上の責任から役員報酬を減額せざるを得ない場合
・ 取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員報酬を減額せざるを得ない場合
・ 業績や財務状況又は資金繰りが悪化したため、取引先等の利害関係者からの信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員報酬の減額が盛り込まれた場合
以上、役員報酬の期中改定に関する内容でした。
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