融資の際の決算書の着眼点 ~損益計算書編~

finance-108655_1920

銀行は融資の際に必ず決算書を求めてきます。しかも多くの場合は直近3期分の決算書を開示してほしいと言われることが多いかと思います。 では実際に銀行は融資の際に決算書のどの部分に着目しているのでしょうか?

今日はその中でも最も基本的でポピュラーな論点について、特に損益計算書の観点からご紹介したいと思います。

①売上高

これは時系列で売上高がどのような推移になっているかを確認しています。売上高の変化により企業の大きなトレンド(上昇基調か?下降基調か?停滞か?) を把握して、今後の見込みを立てるのに役立てます。

また銀行によっては年間のトータルの売上だけでなく毎月の売上の推移を確認させてほしいといわれる 場合もあります。
複数店舗・複数商品、サービスを取り扱っている場合は店舗別・商品別・サービス別の売上高の状況や伸び率などを把握しておくことで、銀行に対しても 適切な説明をできます。

 

②営業利益

利益と一口にいっても様々な種類があります。決算書の一番下の利益(当期純利益)が目立ちますが、銀行はこの当期純利益よりも営業利益を重視します。 これは本業で稼ぐことができた利益のことです。
もしここが赤字の場合、本業で利益が出ていない=根本的で重大な問題がある可能性があると認識されるため、まずはこの営業利益が最も大切です。

 

③キャッシュフロー

銀行は融資をしたからには返済期間中は返済をし続けてもらわなければなりません。その返済をする原資は利益となります。この利益の中で返済できるかどうか をみるのがキャッシュフローとなります。

厳密にはキャッシュフローは細かな計算がありますが、簡易的に行う場合、決算書の中の「経常利益+減価償却費」が融資の 返済金額以上であれば、来期同程度の推移となれば返済可能と判断されます。

 

④減価償却費

減価償却費については税務上については任意で償却ができるため、黒字をにしたり、赤字の幅を少なくするために減価償却費を調整する企業があります。いわゆる「粉飾決算」です。
これでは正確な期間損益計算ができないため、銀行は過去に減価償却費の未計上が無いか、極端に金額の変動が無いかを確認します。

また、減価償却費が増加している場合は設備投資などが発生しているため、投資内容をきちんと説明する必要があります。
減価償却費を適正に計算して金額が少ない場合、設備の老朽化の可能性もあるため、設備の状況がどのようになっているか(故障していないか?直近で大きな修理が発生しないか?) をきちんと説明しておくことは融資の際にプラスになります

 

 

他にも銀行が融資の際に見ているポイントはいくつもありますが、代表的なポイントを挙げさせていただきました。

融資のポイントは利益を見る損益計算書だけではありません。弊社では最終的な契約が成立するまでの相談やお試しコンサルなどでは一切料金を頂戴しておりません。お問い合わせ等も順次受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

【メルマガバックナンバーはこちらから】

 

お問い合わせ