(バックナンバー)AIに負けない!一流経理マンへの道。管理会計編 Vol.2

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AIに負けない!一流経理マンへの道。管理会計編 Vol.2

本メルマガは、一流の経理マンとなるべく、
会計基準の本質を理解することを目的とします。

覚えるのではく、理解することを意識して考えながら、読み進めてください。

「題名」管理会計とは何か・・

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CVP分析
これは、管理会計の一つの分野です。

 

 

コスト(Cost) と「販売量」(Volume) と「利益」(Profit) の頭文字をとって、CVP分析といいます。

 

 

具体的には、コストを変動費と固定費に区分した上で、売上高から変動費を差し引いて限界利益を算出します。

 

この限界利益を売上高で除して限界利益率を算出します。

 

固定費を限界利益率で割り戻せば、損益分岐点における売上高が算出されることとなります。

 

 

このように会社の費用構造を変動費と固定費に分解し、損益分岐点を算出することがCVP分析です。

 

 

売上単価 100 変動費 60 固定費400 の会社があったとします。

 

 

この場合、限界利益率は(100-60)/100で0.4です。

 

 

そして、固定費400/0.4=1,000となります。

 

 

つまり、この会社では1,000の売上で損益が分岐します。

 

1,000以上の売上を達成すれば、利益が計上され、それ以下ではあれば赤字ということですね。

 

売上単価を80に減少したとしましょう。

 

先日の問いかけでいうところの、変動費率を上げること(=単価を引き下げること)ですね。

 

この場合、限界利益率は(80-60)/80=0.25となります。

 

すると損益分岐点は、1,600となります。

 

2割の値引きにより、損益分岐点は1.6倍となりました。

 

 

どうでしょうか。

 

安易な値引きにより、損益分岐点が1.6倍にも増えてしまいました。

 

数字で説明すると、いかに単純な値引きが会社を苦しめるのかがわかります。

 

限界利益率が低いビジネスは非常に苦しいのです。

 

経営者が自らそのようなビジネスに持ち込もうとすることを経理マンは冷静に止めなくてはなりません。

 

 

業績が下がってきたとき、経営者は冷静ではいられなくなります。

 

 

安易に売上を確保したいという気持ちが先行します。

 

 

そのようなときこそ、会社の数字を扱う経理マンは冷静に数値を分析しなくてはなりません。

 

 

では、逆に売上単価を110に増加させた場合はどうでしょうか。

 

 

この場合、限界利益率は(110-60)/110=0.4545となります。

 

すると損益分岐点は、880となります。

 

 

1割の値上げにより、損益分岐点が0.88倍となりました。

 

 

つまり、1割の値上げによる顧客離れを12%以内に抑えることができれば、値上げの効果を享受できます。

 

 

12%の顧客離脱を防ぐために、

 

・顧客への説明

 

・接客の充実

 

・アフターフォローの拡充

 

などの施策を考えるほうが、はるかに建設的で会社を助けることになるのではないでしょうか。

 

 

経理マンは会計基準や税務の処理だけをしていればいいのではありません。

 

時として、経営者に判断の拠り所を提供しなくてはなりません。

 

 

毎月しっかりと限界利益率をチェックし、

 

会社が知らないうちに限界利益率の低いドツボにはまっていないか確認していかなければなりません。

 

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■ 発行者 プロフィール ■
税理士法人トラストブリッジ 代表社員
公認会計士・税理士 永田 雄大
・慶應義塾大学商学部卒業
・有限責任監査法人トーマツにて、会計監査、内部統制監査に従事
・アタックス税理士法人にて、中小・中堅企業の税務顧問、事業承継業務に従事
・平成27年6月より、税理士法人トラストブリッジ代表社員就任

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