特集 事業承継を考える! vol2 ~織田信長型の事業承継~

2903 3

話の前提はこちらの記事から

 

織田信長型の事業承継とは・・・・

織田信長は、皆さんも御存知の通り、戦国時代を代表する戦国大名の一人です。

 

天下統一を目前にして、本能寺にて明智光秀に謀反を起こされ、本能寺で自害してしまいます。

織田信長は、まさか自分が死ぬとは思わず、家督相続の準備はしていませんでした。

 

結果、織田信長の家督は途切れ、信長の政権は豊臣秀吉にとってかわられることになります。

これを事業承継に当てはめるとどうでしょうか。

 

 

NIS7412d_kura_TP_V1

 

~A社の社長P急逝~

ある日、A社の社長でありSの父親であるPは、ある日健康維持のために続けていた早朝ランニングのときに不慮の事故に巻き込まれで急逝してしまいます。

まさか、自分が急逝するとは思ってなかったPは事業承継のための準備を全くしていません。

 

まさに本能寺の変で最期を遂げた織田信長に重なります。
このような状況下で、Sは無事に事業承継を行うことがでるのでしょうか。

 

~課題は山積み~

葬儀などの一定の手続きを終えるとSは多くの課題に直面することになります。

・社長不在の会社運営
・取引先への説明
・新社長の任命
・財産の相続   などなど

 

Sが乗り越えなくてはいけない課題は様々な分野に数えきれないほどあります。

 

PAK23_notedentaku20140312_TP_V1

 

~大きな課題① 財産の相続~

葬儀を終えたS達残された家族は、相続手続きのためにPの財産を洗い出していました。

 

判明したPの財産は以下の通りです。
また、葬式費用として1,000万円かかっております。

 

【財産一覧】
①現預金      5,000万円
②自宅の土地建物  2,000万円
③A社株式       300株

 

【債務一覧】
④葬式費用 1,000万円

 

Sは思いのほか簡単に財産を洗い出すことができ、5,000万円もの現預金が残っていたことに安堵し
財産の内訳をもって顧問税理士に相続税の申告のために相談しました。

結果、顧問税理士から思いもよらぬことを言われました。

顧問税理士「A社株式は、総額4億5,000万円の評価額となるため、相続税は総額で約1億3,535万円ほどになります。」

(相続税の計算の概要はこちらから)

 

Pは生前に5,000万円の現預金を残しておりましたが、相続税額は1億3,535万円・・・・。

到底相続した現預金で払いきれません。

 

とはいっても、自社株式を他社に売却するわけにも行きません。
しかし、ことが起こってしまってはできる対応が少ないのが、相続の特徴。

 

Sがとれる対策は限られています。

また、SがA社株式を全て相続すれば、他の相続人が承継する財産額とバランスが取れなくなり、他の相続人ともめる原因にもなりかねません。

といっても株式が分散してしまえば、強固な経営基盤を確立することは難しくなってしまいます。

 

いずれにしても、ことが起こってしまっては、とれる対策はほとんどありません。

 

paku_855asd_TP_V

 

 

~大きな課題② 経営の承継~

 

思いもよらぬ高額な相続税に対応を迫られたSですが、SはA社の経営承継も実行せねばなりません。

社長不在の状況ですので、業員や取引先の不安払拭のために、兎にも角にも迅速な経営権の掌握が必要になります。

 

経営権の掌握のためには、何をすればいいのでしょうか。

 

こちらは財産の承継よりも、より柔軟に対応していく必要があります。

 

・代表取締役はどのように選任するのか?
・相続中の株主総会はどのように開催すればいいのか?
・他の役員や経営幹部とはどのような話をすればいいのか?
・従業員や取引先への不安払しょくのためにできることは何か?
・会社経営の中長期の戦略はあるか?
・資金繰りや業績の見通しは客観的把握できる状況にあるか?

 

 

Sは、形式的な手続きから実務的なことまで、様々なことに柔軟に対応していくことが求められます。

しかもそれは、可能な限り迅速に進める必要があります。

 

 

Sの経営承継が円滑にできなければ、取引先や従業員が不安を抱きます。
また、最悪の場合、他の役員や経営幹部が取引先や従業員をつれて、離脱してしまう恐れもあります。

社内外の実績に乏しく、自分の右腕となるような人物もいないSにそのような対応を十分に行うことができるのでしょうか。

 

n811_horagohoubidayo_tp_v-1

 

 

~事後の百手に優る事前の一手~

 

事業承継では、ことが起こってからの対策や対応は、ほとんどありません。

その場その場で対応するしかないのが、実情です。

 

そのため、そうならないように事前に対策していくことが重要です。

まさに事前の一手の対策がことが起こってからの百手の対応に勝ります。

 

それが、事業承継です。

次回以降では、同じ状況下において、PとSが十分な対策を行った場合【徳川家康型】について、書いていきたいと思います。

 

 

【弊社記事一覧はこちらから】

弊社記載の記事の一覧

 

 

img_top_sem_free_branch_point

 

弊社では最終的な契約が成立するまでの相談やお試しコンサルなどでは一切料金を頂戴しておりません。お問い合わせ等も順次受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせくださいませ。

お問い合わせ