AIに負けない!一流経理マンへの道。会計基準編 Vol.2
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AIに負けない!一流経理マンへの道。会計基準編 Vol.2
本メルマガは、一流の経理マンとなるべく、
会計基準の本質を理解することを目的とします。
覚えるのではく、理解することを意識して考えながら、読み進めてください。
「題名」適正な期間損益計算とは何か・・
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適正な期間損益計算とはいったい何を指すのでしょうか。
皆さんも一度考えてみてください。
そもそも、会社というのは、永続することが前提です。
そのため、その会社が儲かっているか否か判断するには、どこかの期間を区切る必要があります。
ですので、会社の業績把握には自然と期間損益という概念が生まれます。
では、適正とは何でしょうか。
どのような期間損益が適正なのでしょうか。
「収益とそれを貢献するために獲得した費用とが同期間に計上された損益」が適正な期間損益として考えられています。
つまり、商品の販売であれば、
「商品の売却による売上」
と
「それを獲得するために貢献した仕入れ代金」
とが、同じ期に計上されることを言います。
これは、概念的にわかりやすいのではないでしょうか。
第1期に仕入代金が80計上され、
第2期にその売上100だけが計上されるのでは、
それぞれの期で商品販売に関する利益を適切に反映しているとは言えないですよね。
これを会計の世界では費用収益対応の原則といいます。
簿記を勉強されたことのある方は、必ず一度は聞いたことがあると思います。
適正な期間損益計算を達成するためには、費用収益対応の原則を順守する必要があります。
では、次に収益と費用について考えてみたいと思います。
収益とはなんでしょうか?
2006年に企業会計基準委員会より公表された財務会計の概念フレームワークでは、
「収益とは、純利益または少数株主損益を増加させる項目であり、特定期間の期末までに生じた資産の増加や負債の減少に見合う額のうち、投資のリスクから解放された部分である」
と定義づけられています。
一読しただけでは、難しいですが、ポイントとなることは以下の3点です。
<収益を理解するうえでのポイント>
・資産の増加や負債の減少に見合う額であること
・投資のリスクから解放されていること
・資本取引でないこと
特に投資のリスクからの解放は重要です。
つまり、後日に取り消されることリスクがないこと(もしくは僅少)であることが重要です。
これを従来の会計基準では、実現主義と表現しています。
実現主義はご存知の通り、以下の2点を満たしたときに収益を認識する考え方です。
<実現主義の2要件>
・財貨、役務の提供が完了していること
・現金または現金同等物を受領していること
実現主義は認識された収益が後日に取り消されることにないように財貨、役務の提供が完了していることを要件としています。
これは概念フレームワークで記述している「投資のリスクからの解放」とリンクしています。
よく、発生主義と実現主義とを混同されている方がいらっしゃいますが、
実現主義も大きな意味では、発生主義会計の一部です。
しかし、後日に取り消さることのないように、
投資のリスクからの解放をより厳密に行うために、発生主義より厳密な要件を定めているのが、実現主義です。
例えば、飲食店を考えてみてください。
料理販売の工程を以下の通りとしましょう。
1 料理人が野菜を切る
2 だしをとる
3 肉をいためる
4 盛り付ける
5 お客に提供する
6 代金を受領する
発生主義で収益を認識するということは、1の工程が終了時に売上の一部を計上し、2の工程が終了時にさらに売上の一部を計上し、・・・という形で収益を認識していきます。
しかし、どうでしょうか。
工程5のお客様への提供時に料理を床に落としてしまっては、4までで積み上げてきた収益を取り崩さなくてはなりません。
床にこぼしてしまっては、お客様から代金をもらうわけにはいきませんからよね。
実現主義では、お客に提供が完了し、代金を受領したときに収益を認識します。
そのため、後日に取り崩されることはほぼないといえるでしょう。
このように、発生主義の中でより厳密な要件を定めたものが、実現主義です。
収益の実現主義は企業会計原則に定められており、直近まで変更されることはなかったのですが、
実は平成29年7月に「収益認識に関する会計基準(案)」が公表されたことにより、廃止される見通しとなりました。
今後は「収益認識に関する会計基準」に基づいて収益を認識することとなります。
「収益認識に関する会計基準」については、後日詳細を記載しますので、ここでは収益の概念をしっかりと理解してください。
繰り返しますが、収益のポイントは以下の通りです。
収益の理解の上の3ポイント
・資産の増加や負債の減少に見合う額であること
・投資のリスクから解放されていること
・資本取引でないこと
次回以降では、費用について考えていきたいと思います。
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■ 発行者 プロフィール ■
税理士法人トラストブリッジ 代表社員
公認会計士・税理士 永田 雄大
・慶應義塾大学商学部卒業
・有限責任監査法人トーマツにて、会計監査、内部統制監査に従事
・アタックス税理士法人にて、中小・中堅企業の税務顧問、事業承継業務に従事
・平成27年6月より、税理士法人トラストブリッジ代表社員就任
HP URL:http://trustbridge.co.jp/
Facebook: https://www.facebook.com/trustbridgetaxaccountantcorporation/
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