組織再編が行われた際の所得拡大促進税制の適用について

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皆さん、こんにちわ。

名古屋市中川区高畑に事務所を開設している税理士法人トラストブリッジです。

 

今日は、組織再編が行われた場合の所得拡大促進税制の適用要件がテーマです。

 

合併等の組織再編が行われた場合、基準雇用者給与等支給額及び比較給与等支給額はどのように計算するのでしょうか。

 

租税特別措置法施行令に計算方法の詳細が定められています。

 

この記事では、租税特別措置法施行令の大きな考え方を抑えてください。

 

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【組織再編が行われた場合の考え方】

 

適用年度の雇用者給与等支給額と比較する

基準雇用者給与等支給額、比較雇用者給与等支給額は雇用者給与等支給額に合わせる形で調整します。

 

つまり、合併、分割において引き継いできた事業の当初の給与等支給額は,

全て基準給与等支給額及び比較雇用者給与等支給額の計算に加算することとなります。

 

一方で、分割等において切り離された事業の当初の給与等支給額は,

基準給与等支給額及び比較雇用者給与等支給額から減算することになります。

 

 

全て適用年度において有している事業をベースに考えるということを念頭においてください。

 

但し、平均給与等支給額の計算においては、特段調整は必要はありません。

平均給与等支給額は、適用法人の適用年度の継続雇用者に該当するか否かによってのみ判定します。

 

【合併により加算する基準雇用者給与等支給額の調整】

 

①適用年度において組織再編が行われた場合

 

【調整内容】

被合併法人の月別給与等支給額※×合併法人の合併の日から適用年度終了までの月数÷合併法人の適用年度の月数を加算します。

 

 

※月別給与等支給額とは、合併に係る被合併法人の各事業年度給与等支給額をそれぞれ各事業年度の月数で除して計算した金額をその各事業年度に含まれる月に係るものとみなした金額をいいます。

月別給与等支給額は、対象期間に実際に支払った金額ではなく、事業年度間に毎月均等に支給されたものとして仮定した金額になりますので、留意が必要です。

 

 

上記の式からわかる通り、例えば、適用年度終了3か月前に合併した法人については、被合併法人の基準事業年度の給与等支給額の3か月分を調整対象とするということです。

 

 

月別給与等支給額が、平均にしているのは賞与等によるばらつきを平準化するためですね。

 

②基準事業年度の開始から適用年度開始の日の前日までに組織再編が行われた場合

 

【調整内容】

被合併法人の月別給与等支給額を加算します。

 

適用年度開始の前日までに合併が行われている場合は、適用年度において既に被合併法人に関する給与等支給額は12か月含まれています。

 

そのため、適用年度に行われた合併のように月数按分は不要になります。

 

【参考条文】

・租税特別措置法42条の12の5 第5

・租税特別措置法施行令27条の12の5 5項6号

・租税特別措置法施行令27条の12の5 8項2号

 

 

租税特別措置法は「」の中にさらに「」が存在し、とても読みにくい法律ですが、大きな考え方を抑えておくと理解がたやすくなります。

組織再編が実施された会社で所得拡大促進税制の適用を受けようと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

分割については、ご要望あれば別の記事にて解説いたします。

 

 

所得拡大税制は平成29年に税制改正されていますので、以下の記事も参考にしてみてください。

 

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【税制大綱記事一覧】

平成29年税制改正大綱 ~所得拡大税制の拡充~

平成29年税制改正大綱~居住用超高層建築物の課税見直し~

平成29年税制改正大綱~取引相場のない株式の評価方法の見直し~

平成29年税制改正大綱~中小企業向け設備投資促進税制の拡充~

 

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